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2006.04.29

Winny の帯域制限

私は「ニフティ」というキーワードでブログ検索して、それを毎日、FreshReaderlivedoor Reader で読んでいたりしますということは何回か書きましたが、昨日・今日、多かったのは、「フレリン」の終了・WillPortへ吸収、という話題と、Winny の帯域制限が始まったという話題。

フレリンは「あー、また、やっちゃったか」というくらいですが、Winny の方は、どうも、なんだかなーというものが多すぎて、読んでいると腹が膨れてきたのでげっぷを一つ A^^;;

インターネットは誰も何も保証しない

皆さん、忘れているというか、最近の人は知らないのかもしれないですが、本来、インターネットは無保証の世界です。メールが届かなくたって、届くのに何日もかかったとしたって、文句は云えないというのが大原則です。WWW でも同じことですね。サーバの内容を書き換えても、すぐにそれが世界中に反映される保証は誰もしてくれません。

この辺りがパソコン通信などのように閉じたネットワークとは絶対的に違う点ですね。

ISP が提供できるのは、自分の所に届いたものをインターネットの世界に流したり、ユーザのもとに届けたりすることだけです。インターネットの先は誰も保証しない、いや、保証できないのです。

ベストエフォート

では、その範囲なら保証が出来るかというと、それも違う。ニフティからインターネットに接続する回線の帯域には上限があります。いわゆるバックボーンというやつ。これはニフティに限らず、どこの ISP にもあります。

ISP とはバックボーンを切り売りしているサービスなんですね。

上限が決まっている以上、一人当たりの帯域を保証するとしたら、現状のユーザ数と比べたら、大変少ない人数にしか提供できなくなってしまいます。当然、接続料金は跳ね上がります。

故に帯域の保証はしない、ベストエフォートという形態での提供がメインとなるわけです。

ベストエフォートというと、光ファイバーの 100M とか ADSL の 50M という部分だけで言及されることが多いですが、実は、そんな入り口の部分だけでなく、経路の途中や出口の部分にも関わっている話なんですね。

NTT のフレッツサービスの場合、NTT 東/西日本に課せられた制約のために県をまたぐ通信ができないことになっています。そのため、地域IP網という県内のみを繋ぐネットワークに、各 ISP が県毎に接続するという、ある意味、すごく不合理なことをしています(メリットもないではないですが)。そして、この地域網と ISP を繋ぐ部分にも上限があります。

# こういう形態故に、地域網から ISP やインターネットには出て行かないフレッツスクエアの方が速度が出ます。

帯域をむやみに占有するサービスがあれば Winny に限らず制限される必然

Winny の帯域制限について書いている人は、まあ、嫌だ、という人が多いわけですが、私もそうですが Winny を使っていない人間からしてみれば、一定量しかない ISP のバックボーンを Winny で大量に使われてしまい、その結果として、自分の使いたい帯域幅が減ってしまうとしたら、それは、正直、うれしくないわけです。

しかし、Winny だけダメで、Share ならいいのか、YouTube ならいいのか、GyaO ならいいのか、なんで、Winny だけ・・・というように考えていくと、Winny が差別されているみたいになちゃいますが、実のところ、限りある資源をみんなで分け合っているというのが現在のISPの標準モデルである以上、どれにしたところで「誰かが」「何かが」占有しちゃったらダメなんですね。

インターネット上で、もっとも多く利用されているサービスで、かつ、重要とされているのは「メール」でしょう。その次は WWW の閲覧、http でしょう。そういったものに深刻な影響が出てしまうような事態は ISP の死活問題になりますから、絶対に避けなければならない、それを否定する人は少ないかと思います。

まあ、Winny はみんなの関心事になってしまった故に発表がありましたけれど、Winny に限らず、特定のサービスのトラフィックがむやみに回線を占有しようとしたら制限されるし、制限しないとメールやWWWを利用することに対しての品質を維持できないでしょう。それは首都圏では以前から既に制限を行っていたと発表されたとおり、今後も発表するかどうかとは関係なく、行われていくと考えて間違いないです。

# 実際、Winny 以外もある程度制限が実施されているという話もあります。

ニフティのような大手 ISP は、ビジネス利用者も多いですから、そちらに不満が出てしまうことも避けねばならないということもポイントですね。

ただ、本当に許される範囲以上に占有しているのかは公表しないと恣意的な運用をしているんではないかと疑われます。だから、「(遊): Winnyトラフィックの調査」でも書いたとおり、きちんとデータを出せばいいのにと思っています ^^;;

メールや WWW なんてどうでもいいから Winny やらせろ

という人は一次回線業者になって、インターネットに直接繋げれば可能です(爆

ただし、あまりやりすぎると IX レベルで制限掛けるという事態を招くこともないとは云えません。
インターネット全体にだって上限はあるのです。

複数のインターネットサービスプロバイダや学術ネットワークを相互に接続するインターネット上の相互接続ポイント。高速道路で言うジャンクションに当たる。日本で本格的に運用されているのはWIDEプロジェクトによるNSPIXP-1、NSPIXP-2が有名だが、IXの運用を専門に行なうJPIX(日本インターネットエクスチェンジ)が設立され商用IXの普及が予想される。

[ IXとは 【インターネット・エクスチェンジ】 (Internet eXchange) ─ 意味・解説 : IT用語辞典 e-Words ]

・・・というのは、アレですが A^^;・・・日本ではあまりないですが、転送量に対しての従量制課金にする代わりに制限はしないというサービスを用意するという手もあるのではないかと思いつきました。まあ、やりすぎれば何百万も払うことになるかも知れませんが・・・A^^;;

それでも、これなら公平感があるのではないでしょうか。

# Winny 専用とか云ったらだめですよ。京都府警が来ちゃいますよ(笑

蛇足

本来は Winny 自身が、こういった転送量コントロールを、もっと積極的・自立的に行う機能を持っていれば、というか、たぶん、金子氏の逮捕と云うことがなければ、セキュリティ面も含めて、確立されただろうと思われ、そうすれば ISP が大規模な制限に乗り出すことも無かったろうと思います。

今の Winny は鎖の付いていない野良犬なんですね・・・きちんと育ててやれば、立派な忠犬にもなってくれたかも知れないのに、唯一、しつけの出来るトレーナーの手を縛ってしまったわけです。

飼い犬が野良犬になれば、吠えるだけでは済まず、手を噛まれて大けがをするということを想像できなかった貧困さがそこにあります。まるで罪を野放しにして、人を裁くことに専念しているようです。

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コメント

●「蛇足」に感銘しました!

投稿: collie | 2007.06.15 10:52

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